膝の痛みを
生きる喜びに置き換える
人工膝関節全置換術
日本国内では毎年9万例を超える人工膝関節全置換術が行われており、膝関節形成術としても知られる人工膝関節全置換術は、最も一般的な関節置換術の1つです1。
関節炎や外傷による膝の損傷を修復するために行われます。摩耗による膝の損傷は、容易に外科的処置を必要とする進行性の痛みにつながる可能性があります。人工膝関節全置換術があなたまたはご家族・知人に適しているかどうかを医師に尋ねてください。
あなたの膝関節は どのように機能していますか？
膝は体の中で最大のヒンジ関節であり2、大腿骨と脛骨が合わさる部分です。膝を構成する他の骨には、脛骨の外側にある腓骨、そして膝正面にある膝蓋骨が含まれます。膝の腱は、膝の骨と筋肉を繋ぎ、靭帯は膝の骨と骨を繋ぎます。大腿骨、脛骨、膝蓋骨は、骨の接する表面が軟骨で覆われているため、膝のクッションとスムーズに機能させることが可能です。膝のすべての部分が正常に機能しているとき、膝はスムーズに動作して下肢を曲げたり伸ばしたりします。膝が炎症を起こしたり、退化したり、怪我をしたりすると、膝の自然なバランスと動作が乱れ、痛み、脱力感、その他の医学的問題を引き起こしたりする可能性があります。
膝蓋骨
脛骨
大腿骨
大腿骨コンポーネント
膝蓋骨コンポーネント
脛骨インサート
脛骨コンポーネント
人工膝関節全置換術とは どんな手術？
膝関節全置換術を検討する前に、多くの患者さんは、ライフスタイルの変更や、痛みと炎症に対する薬剤治療、および/または理学療法から始まる一連の保守的なケアを受けることがあります。軟骨が摩耗しすぎていたり、骨の表面に損傷があるために保存的治療で痛みの緩和が期待できない場合に、医師は、痛みを和らげて日常生活に戻れるように、人工膝関節全置換術または膝関節形成術を勧めることがあります。
膝関節全置換術または部分的な置換術では、損傷した軟骨と大腿骨、脛骨、また膝蓋骨の一部を取り除き、これらの部分が取り除かれた後、切除した膝関節部位に、痛みや障害のない自然な動きや機能を再現するために設計された医療用インプラントを設置します。
人工膝関節全置換術は どのように行われますか？
多くの人工膝関節全置換術は、通常の手術に60〜120分程3かかります。その手術では、膝の上部から関節の下部まで、膝の中央部もしくは側面に切開を行います。
次に、膝関節の損傷した領域を展開し、損傷した骨と軟骨を切除します。 そして切除された部位に、自然な膝の動きを再現するように設計された医療用インプラント（人工膝関節）を設置します。
低侵襲による人工膝関節全置換術は、通常よりも小さな切開で、膝の周囲の組織の損傷を最小限に抑えます。この外科的アプローチは、膝の筋肉や腱への損傷を避けるために開発されたもので、術後の痛みを軽減し、回復時間が短縮される可能性があります。
人工膝関節全置換術手術後
人工膝関節全置換術後の入院期間は、患者さんそれぞれの術前の症状によって選択される術式や手術内容が異なり、また、施設や医師によっても治療方針が異なるため、回復の速さやリハビリテーションのプログラムなどが異なり、それぞれの状況によって異なります。
手術後、理学療法は早期に開始され、数か月間継続される場合もあります4。治療は筋肉の強化と、膝関節の動きを取り戻すことを助けるためのものであり、リハビリテーションにとって非常に重要です。手術後数週間は、松葉杖、歩行器、または杖が必要になります4。
回復状況と医師の判断に応じて、多くの患者さんは、手術後数週間で、ウォーキング、階段の登り降り、運転などの日常の活動を再開できます4。ウォーキング、ゴルフ、水泳などの負担の少ないスポーツや活動は、さらに数週間を経て多くの場合再開できますが、医師が活動を認めた場合に限られます。回復期間は患者さんごとに異なります。
医師の判断と理学療法のスケジュールを守ることで、人工膝関節全置換術後の回復を促進させることができます。
患者さんの状態や症状によって、適切な治療方法は異なりますので、詳しくは医療機関を受診して医師にご相談ください